カテゴリ: ライトノベル コメント: 18

なろう作者「お前たち、銀鏡反応って聞いたことあるか?」

なろう作者「お前たち、銀鏡反応って聞いたことあるか?」
1: 2016/11/02(水) 10:20:33.98 ID:kp5g2Ixa0

時刻は深夜。

俺たちはベッドの上に転がりながら考える。

そう、今日の昼頃にレーソンとかいう犯罪者にラーラが闇魔法、全てを溶かす水
アシッド・スコール
を放った時のことだ。

その魔法に触れた銀製の鎧が溶け出し、液状になって地面へ流れ落ちたのである。

俺はそれを見逃さなかった。

「間違いない。銀液だ・・・」

俺はそう呟く。

だとすれば・・・、

「鏡が作れるかもしれないな」

3: 2016/11/02(水) 10:21:07.17 ID:kp5g2Ixa0

俺は確信を深めながら、そう言ったのであった。

すると、それをたまたま聞いていたリュシアが、

「ご主人様、い、今、鏡って・・・!? か、鏡を作ることが出来るんですか!?」

と驚いた声を上げる。

しまったな。声に出してしまっていたか・・・。

目立たないようにこっそりと進めようと考えていたのだが。

しかし、リュシアの言葉を聞いた少女たちの口からも、

「すごい・・・。鏡を作られるなんて・・・っ!! 確か物凄く作るのが大変なんで、宝石よりも価値があると言われてるんですよ!!
作り方はドワーフしか知らなくて、国を挙げて製法は秘されているのです。
ただ、彼らの作るのは銅製だったはずで、マサツグ様の作ろうとされている銀製ではありません!
もし銀の鏡を作るのだとしたら史上初の快挙ですよ!!」

「マサツグさんの商才はすごすぎるよ~。だって、一日ごとに世界の経済地図を塗り替えて行くんだもん」

「本当じゃよ。そなたと会ってから世の中の動きが、何百倍も早くなったような気がするわい。全然付いて行けんぞ?」

そんな言葉が聞かれるのであった。

7: 2016/11/02(水) 10:21:32.69 ID:kp5g2Ixa0

うーむ、少女たち全員に知られてしまったか。

騒がれたくなかったんだがなあ。

そもそも、鏡を作れるくらい大したことないのだが。

しかし俺がそう言うと、少女たちは揃
そろ
って首を横に振るのであった。

「ご主人様のレベルが高すぎるのは理解しますが、そろそろご自分の凄さをご認識頂きたいのですが・・・」

「そうですよ。でないと私たち、自信がなくなっちゃいます」

「そうよ~。たまには世の中を見上げるのも良いものよ~」

「うむうむ。そうじゃそうじゃ。そしてわしに構うのじゃ!」

やれやれ、大げさだな。そんなに注目されるようなことじゃないってのに。

さ、そんなことよりもだ、念のためにエリンとラーラに、もう少し確認しておこう。

9: 2016/11/02(水) 10:21:56.35 ID:kp5g2Ixa0

「お前たち、銀鏡反応って聞いたことあるか?」

だが、二人は、

「ぎ、ぎんきょう?」

「なんなのじゃそれは?何だか強そうじゃな?」

と答えるのであった。

ふむ、やはり知らないようだ。

無理もあるまい。

銀鏡反応(ぎんきょうはんのう)とは銀メッキ技術のことだ。

溶かした銀にアンモニアを加えて、あとはブドウ糖などを混ぜれば、銀メッキされるというものである。

別に記憶力の良い方ではないが、俺は自然と理科の内容を覚えていたのである。

ここまで言えば分かるだろう。

そもそも鏡とは何か?

鏡とはガラスに銀メッキを施して光を反射させたものである。

要するに、ガラス裏面で銀鏡反応を起こせば、「鏡」になるというわけだ。

まあ知らない高校生はいるまい。

174: 2016/11/02(水) 10:36:44.76 ID:QLCerwerd
>>9
wikiで調べながら書いてそう

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引用元: http://tomcat.2ch.sc/test/read.cgi/livejupiter/1478049633/

12: 2016/11/02(水) 10:22:08.57 ID:ykJwLGgoa
魔法で鏡作ればよくない?

13: 2016/11/02(水) 10:22:18.51 ID:OyfGzqWBa
なんでも溶かせる魔法使えるのに鏡作れないやつ

14: 2016/11/02(水) 10:22:24.12 ID:kp5g2Ixa0

蛇足だが、こういったメッキ技術というのは富の象徴なので、基本的には上流階級者が秘匿していることが多い。

エルフのお姫様であるエリンや、魔族の王様であるラーラに銀鏡反応を知っているか質問したのは、ハイソな二人がこうした銀メッキ技術を知らないならば、間違いなくこの世界にはまだ普及してない技術と考えられるからだ。

もちろん、一緒に転移してきたクラスメイトたちが既に普及させている可能性もあるが、勇者として他国との戦争に明け暮れる塵芥
ちりあくた
に、そういった知恵は見込めないだろう。

同じ人でありながら、孤児院で少女たちを養い、カラミティ・ドラゴンから世界を救いながらも、こうして世の中が真に必要とする物を提供している俺とは雲泥の差だ。

才能や人格の差から来るものなのだろうが、現実の残酷さを感じざるを得ない。

彼らを少しでも指導出来る機会があればと思うのだが、彼らからは何も言ってこない。

きっと、自らの愚かさすら自覚できないほどの非才なのだろう。

そう思うと、俺は彼らの哀れさに思わず心を痛めるのであった。

17: 2016/11/02(水) 10:22:41.87 ID:stlqae8Nd
高校の化学で聞いたわ

19: 2016/11/02(水) 10:22:54.48 ID:kp5g2Ixa0

だが、そうした彼らの暗愚さゆえ、孤児院の安定的な収入源が確保できそうである。

彼らの低脳さも役に立つということだ。

そう思うと少しおかしかった。

そんな訳で俺は早速、明日から鏡作りの開始を宣言したのだった。

翌朝、俺たちは居間に集まると、銀メッキによる鏡作成のための準備を開始する。

まずは材料調達からだ。

必要なのは、銀、アンモニア水、ブドウ糖である。

「さて、まずは銀だな」

俺がそう呟くと、少女たちが「きらり」と目を輝かせて、物凄い速さでどこかに走り去った。

・・・と思ったらすぐに戻ってくる。

なぜか息を切らせて、自分が一番早かったとアピールして来る。一体なぜだろうか?

と、それぞれの手には「平べったい何か」が何枚も握られていた。

それは・・・、

「・・・銀貨か。まぁ正解だな」

21: 2016/11/02(水) 10:23:18.66 ID:MwIQxZl20
錦織反応に見えた

22: 2016/11/02(水) 10:23:19.26 ID:kp5g2Ixa0

俺がそう言うと少女たちは嬉しそうに微笑み、「やった」「やりました!」「正解ですって~」「役に立ったのじゃ!」と喜ぶのであった。

どうやら、少しでも俺の役に立ちたいと言う事らしい。

健気で可愛らしいものだ。

と、そんな事を思っていると、ズイ、と頭を差し出して来た。

なるほど、少女たちの中では、正解すると撫でてもらえるルールらしい。

主催の俺は聞いていないんだがな・・・。

まぁいいか、と俺は苦笑いを浮かべてから、少女たちの頭を撫でてやる。

少女たちの口から嬉しそうな声が上がった。

やれやれ、頭を撫でてやっただけで大げさだな。

「さて、次だな。アンモニア水だが・・・」

俺はそこまで言って少女たちの顔を見る。だが、今度は全員が真剣な表情で「うーん、うーん」と唸っている。

どうやら、それが何かすら分からないらしい。まぁ仕方あるまい。

23: 2016/11/02(水) 10:23:30.49 ID:EGGHjtEr0
このやれやれ感が気持ち悪すぎる

24: 2016/11/02(水) 10:23:37.85 ID:/DCbJqqCp
すごいわ博識やね
まるでwikipediaで調べたみたいやわ

25: 2016/11/02(水) 10:23:40.68 ID:kp5g2Ixa0

ちなみに、理科で習ったとおり、尿そのものはアンモニアではない。尿を細菌が分解するとアンモニアが生成されるのだ。

そんなわけで、ぶっちゃけ尿から作る訳なのだが・・・。

とは言え、それを年頃の少女たちに伝えるのも少しデリカシーに欠けるだろう。

「多分、農家が堆肥の材料として貯蔵しているはずだから、それを貰いに行くことにしよう」

とぼかして伝える。

「さすがご主人様です。とても博識ですね!」

「農学まで修められているなんて、凄いです!」

「やっぱり知識の応用力が尋常じゃないのよね~」

「知らないことは無いのではないか?」

などと少女たちは言ってくる。

やれやれ、少しばかり知識を応用しているだけで、誇るほどのものでもないがな。

俺は肩をすくめて、次の話題へ移るのであった。

968: 2016/11/02(水) 11:55:37.78 ID:EX8x6yRs0
>>25
アンモニアって教科書でも作り方載ってなかったっけ?
ハーバーボッシュ法とかいうやつ

26: 2016/11/02(水) 10:23:45.83 ID:h09WTrmh0
今日は疾風殲滅の気分だったのに

31: 2016/11/02(水) 10:24:02.74 ID:kp5g2Ixa0

「さあ、最後はブドウ糖だが、何か分かるか?」

俺がそう言うと、やはりリュシアたちが一様に首をひねる。

だが、エリンだけは何か思いついたらしい。

ぽん! と手を叩いて口を開いた。

「ブドウの糖、と言うくらいなのですから、ブドウやお砂糖と関係があるんじゃないでしょうか!」

そう言ってキラキラと期待のこもった目で俺を見つめる。

「お、なかなか鋭いな。ほとんど正解だぞ」

俺がそう言うとエリンが、

「や、やりました! 褒められちゃいました!!」

と可愛らしく笑うのであった。

俺が頭を撫でてやると、エリンは更に破顔する。

32: 2016/11/02(水) 10:24:37.84 ID:kp5g2Ixa0

さて、

「まあ詳細を言えば、砂糖そのままの状態ではダメでな。銀液には反応せず、メッキにならないんだ。
反応させるには、この砂糖を分解して取り出すブドウ糖が必要なんだ・・・が、この世界でそれをするのは多分難しいだろう。
というわけで、自然界にある天然のブドウ糖を使うことにする」

俺がそう言うと、少女たちが皆、頭の上に、

「???????」

を浮かべて首をひねる。さすがに高度過ぎたらしい。

もう少し簡単に言うとしよう。

「ヒントはこの前食べた甘い食べ物だ。あれを使う」

そう言うと少女たちはみんな思いついたらしく、一斉に、

「はちみつ!!!」

と答えるのであった。

正解だ。ホットケーキを食べたところだから、よく覚えていたのだろう。

304: 2016/11/02(水) 10:47:47.16 ID:eryu4hAza
>>32
ハチミツとか不純物多すぎるやろ

35: 2016/11/02(水) 10:25:07.34 ID:kp5g2Ixa0

そう、ハチが花から蜜を集めて蜂蜜を作る過程で、特別な酵素が出す。それによって糖が分解されてブドウ糖になるのである。

蜂蜜とは自然界に存在する天然のブドウ糖なのだ。

というわけで、銀、アンモニア、ブドウ糖を確保する目処が立った。

あとは鏡作りを実行するのみだ。

・・・とはいえ、俺たちが自ら製造するのは限界があるだろう。

銀をラーラに闇魔法で溶かしてもらったら、あとの工程は外注することにしよう。
何を使っているかは秘匿する必要があるので、誰に作らせるかは慎重さが必要だな。それに、ある程度の量産体制が必要だ。

・・・ああ、そう言えば、いちおうこの国にもドワーフがいるんだったな。

だが、ドワーフ国から追い出されてしまったワケありが多かったはずだ。

とはいえ、腕は確かだろう。少しアプローチしてみるか?

俺はそんなことを考え、具体的なプランを練り始めるのであった。

55: 2016/11/02(水) 10:27:10.68 ID:kp5g2Ixa0

鏡作りの目処が付いた俺たちは翌日、早速、商店の並ぶ目抜き通りへとやって来たのだった。

「ご主人様とお出かけうっれしーなー♪」

「あー、マサツグ様、あれ見てください。猫ですよ~、可愛いですね~」

「ね~マサツグさんマサツグさん、手握ってもいい~?」

「やけにジロジロ見られておるのう。やはり、マサツグ殿がカッコ良いからじゃろうなぁ」

少女たちが、なぜかキャッキャとはしゃいでいる。

まぁ楽しそうでなによりだ。とはいえ、俺が今回こんな所まで足を運んだ理由は、別に少女たちと散策を楽しむためではないので、ややスルー気味に対応する。

59: 2016/11/02(水) 10:28:01.24 ID:kp5g2Ixa0

ここまで来たのには別の理由があるのだ。

「えーっと、ああ、ここだな。ドワーフの店というのは」

俺はシルビィから貰った地図を見て、目的地を確認する。

ちょっとボロボロだが、薄汚れた看板に、「ドワーフ道具店」とあるから間違いない。

「ここのドワーフさんに、鏡の生産をお願いするんですよね?」

俺の様子を見て、リュシアが早速質問してきたので、俺はやや曖昧に頷く。

「まあ、その予定だが、こちら側の要望に答えられるかどうか、見極めてからかな。製造レシピの秘匿や、委託経費がいくらかかるかとか、契約内容を詰めていってみないと、どうなるかは分からない」

俺が淡々とそう言うと、少女たちはなぜか感心した様子で、

「なるほど、難しいんですね」

「マサツグ様って本当に何でも出来ますよね。こういう交渉事も手馴れてて凄いです」

「私そういう難しい契約協議とか絶対できないから尊敬する~」

「わ、わしもじゃ・・・。ちょっとその才能を分けて欲しいわい・・・」

などと言うのであった。

67: 2016/11/02(水) 10:29:05.26 ID:76m7z94/d
銀鏡反応はなろう作者程度の知識で適当にやると危ないんだよなあ
たまに爆発事故起きるし

68: 2016/11/02(水) 10:29:05.27 ID:kp5g2Ixa0

「まぁこういうのは慣れさ。みんなも俺みたいに場数を踏めば自然と出来るようになる」

だが、そんな俺の言葉に少女たちは溜息を吐くと、

「そうでしょうか・・・?」

「マサツグ様の欠点はその自己評価の低さですね・・・」

「無理よ~絶対無理~」

「間接的なイジメじゃなあ」

と言うのであった。

やれやれ、買いかぶりすぎというか、そんな大したものでは全然ないんだがなあ。

まあそもそも、少女たちのお世辞の言葉を間に受けるほど俺は馬鹿ではない。

立ち話はほどほどにして、早速中に入るとしよう。

ボロっちい店だが、とりあえず営業はしているみたいだ。

俺はノブを引いて、ぎぃ~、という錆びた蝶番のきしむ音を聞きながらドアを潜ったのであった。

69: 2016/11/02(水) 10:29:05.69 ID:ejCAYwYea
ネタであって欲しいレベルを超えている

71: 2016/11/02(水) 10:29:20.96 ID:CvJmiNwhd
なんで魔法あるのに化学にたよっとるんや
還元ぐらい魔法でできるやろ

76: 2016/11/02(水) 10:29:47.92 ID:kp5g2Ixa0

すると、

「だれ? 借金返済の期日は明日のはず」

そんな静かだが、よく通る綺麗な声が聞こえて来たのである。

俺がその声の方に目を向けると、奥のカウンターにまだ幼い少女が座っているのが見えた。

リュシアと同じくらいの歳だろうか?

ピンク色の髪が無造作に伸び、目を隠すほどになっている。どうやら、手入れなどはしていないらしい。

また、微かにのぞく大きな瞳は眠たげに細められ、口元はむっつりとしている。

ただ、よく見てみると、ぼさぼさ髪に隠れされた容姿は稀に見る美少女で、その気だるげな表情と相まって、どこか愛嬌のある雰囲気を醸し出しているのであった。

86: 2016/11/02(水) 10:30:35.10 ID:kp5g2Ixa0

と、孤児院の少女たちの方を見ると、なぜか頭を抱えてブツブツと言っていた。

耳を傾けてみると、

「また女の子・・・。どうしてこうライバルが増えて・・・ブツブツ」

と言う声が聞こえるのであった。

どうして女の子だと支障があるのだろうか?

俺は首を傾げるのであった。

まあ、大したことじゃないだろう。さ、そんなことより話を先に進めるとしよう。

「借金取りじゃない。生産してほしいものがあって依頼しに来たんだ。すまないが、お父さんかお母さんはいるか?」

だが、俺の質問に少女は首を横に振ると、

「どっちも、もういない。お店は私一人でやっている」

と答えたのであった。

どうやら、この子も孤児のようだ。

96: 2016/11/02(水) 10:31:16.37 ID:kp5g2Ixa0

と、リュシアたちが、お店をこんな幼い少女が一人でやっていると聞いて、

「ええっ!?」

と驚きの声を上げる。だが、俺は反対に、この国にいるドワーフは、祖国を追い出されたワケありが多かったことを思い出し、

「そうか」

と、だけ答えるのであった。

すると、ドワーフの少女はやや驚いた風に、その気だるげな瞳を見開いて俺の方に向けると、

「私はドワーフのクラリッサ。あなたは驚かないんだ。珍しい人・・・。
普通の人は私みたいな小娘がお店をやっていると聞くと馬鹿にしたり、商品を盗んでいったりするから、とても困っていた。あなたはそんな人たちとは違うみたい」

そう言って、微かに唇の端を動かしたのであった。

・・・もしかして、今のは微笑んだつもりなのだろうか。

めちゃくちゃ分かりづらいな!

俺くらいの観察眼がないと、無表情と見分けが付かないぞ?

97: 2016/11/02(水) 10:31:20.81 ID:EGGHjtEr0
何かする→全キャラに一言ずつ褒めさせる→やれやれ、たいしたことではないんだが→全キャラが一言ずつ褒める

106: 2016/11/02(水) 10:31:47.59 ID:kp5g2Ixa0

話を聞くと周りとうまくいってないらしいが、それはこの少女の分かりづらい仕草のせいもあるのかもしれない。
と、そんなことを思っていると、クラリッサが口を開き、

「でも、依頼は受けられない」

そう言って静かに首を横に振ったのだった。

「えっ!?」

とリュシアたちは驚くが、俺は冷静に、ふむ、と頷き、

「なんで依頼を受けてもらえないんだ?」

そう淡々と問い返したのだった。

109: 2016/11/02(水) 10:31:53.55 ID:bHezb6Q/d
結局外注で草

113: 2016/11/02(水) 10:32:23.18 ID:kp5g2Ixa0

俺が余りに冷静なので、クラリッサは少し驚いたようだ。やや慌てた様子で、

「悪いことは言わない。他のお店に行った方がいい。さっきも言ったとおり、私は色々と嫌がらせを受けている。特に近くのお店の同業者からは、目の敵
かたき
にされている。私が依頼を受ければ迷惑をかけることになる」

と言ったのである。

そういうことか。

・・・だが少し腑に落ちないな。

「なぜ俺に、わざわざその事を? 収入がなければ、クラリッサだって困るだろう?」

そう問うと、彼女はやや言葉に詰まったようであったが、

「・・・それはあたなが他の人とは違ったから。だからこそ、迷惑をかけたくなかった」

と、なぜか表情を隠すように俯きながら言ったのだった。少し見える頬が少し赤くなっているようだが・・・。

ふむ? よく分からないな・・・。まぁ、俺のことを心配してくれたということだろう。

114: 2016/11/02(水) 10:32:32.34 ID:4UeyprNrp
銅で出来てるの分かってんならあとは磨くだけじゃん
何が秘法なんだか

122: 2016/11/02(水) 10:32:59.45 ID:kp5g2Ixa0

そんな風に考えながら俺は、

「心配するな。俺もいちおう冒険者で、腕には多少覚えがある。嫌がらせで被害をこうむるような事はないさ」

とクラリッサを安心させるように言ったのである。

その言葉にリュシアたちが、

「た、多少・・・」

と、なぜか困惑した声を上げるのであった。

一体どうしたのだろう?

とクラリッサが不思議そうな表情で俺を見つめ、口を開いた。

「どうして私にそれほどこだわる? あなたが強いのは何となく察することが出来る。でも、わざわざ面倒事を招く理由はないはず」

131: 2016/11/02(水) 10:33:44.67 ID:kp5g2Ixa0

だが、俺はその言葉に逆に頭を振り、

「いや、クラリッサ、俺は君を信用できる職人だと思った。俺からの依頼内容は、材料や製法の秘匿が重要な契約事項になる。だから取引相手は君のように、自分のことを捨ててでも、客である俺の身の上を案じてくれるような相手でなければならないんだ。
ああ、もちろん、職人としての腕が確かな者でなければならないが、それも確認できた。
嫌がらせを受けているのは、君のような少女が余りに高い技術を持っているからだ」

だから、と続ける。

「君に依頼することで受ける嫌がらせなどは面倒事などではないさ。君に依頼して得られる成果に比べれば、そんなことは最初から看過できるちっぽけなリスクに過ぎない」

俺がそう言うと、クラリッサはなぜか酷く焦ったように顔を真っ赤にしてアタフタし出すと、

「と、当然。私の腕はこの国で一番。誰にも負けない。かつてドワーフ国で宮廷職人だったお父さん、お母さんから全ての知識は受け継いでいる。損はさせない」

と言ったのである。

136: 2016/11/02(水) 10:34:08.59 ID:Ey/e2RFi0
ギャグ漫画日和の小説版やぞ

139: 2016/11/02(水) 10:34:14.10 ID:NgGh8Fk/6
いきなり飛び出る長文

140: 2016/11/02(水) 10:34:14.45 ID:kp5g2Ixa0

「うわぁ・・・マサツグ殿ときたら、よくも職人に対してあんな口説き文句を・・・ありゃ落ちとるぞ・・・」

「浮気ものよね~・・・」

と、そんなことをラーラとシーが呟いているが、どういう意味だろう?

俺は単に事実を告げただけなのだが。

「そ、それで、こほん・・・。・・・それで、あなたは私に何を作って欲しい?」

咳払いをしつつ、いつもの調子を取り戻すと、クラリッサがそう言った。

なぜか先程よりも俺を見つめる瞳が熱いような気がするのだが、きっと職人としての血が騒いでいるのだろう。

「ああ、実はな」

俺が依頼内容を告げようとした、その瞬間である。

「おらぁ! ドワーフの小娘!! 金の工面はできたか!!」

「返済は明後日だぞ!! おう、クラリッサ、てめぇ、わかってんのか!!」

そう言って、扉を乱暴に開け、チンピラ二人組が怒鳴り込んで来たのであった。

151: 2016/11/02(水) 10:35:20.75 ID:kp5g2Ixa0
ここまでで41話と42話を消化したぞ

152: 2016/11/02(水) 10:35:22.23 ID:joagfvz6d
男が孤児院名乗りながら女児ばっか集めるって怪しすぎませんかね

173: 2016/11/02(水) 10:36:39.08 ID:8QFUYorE0
ハーレム勢が逐一全員喋っていく感じ最近見てなくてきつい

176: 2016/11/02(水) 10:36:48.47 ID:3bphSuWwa
銀貨が流通してて銀の鎧も作れるのに鏡は作れないのか・・・

179: 2016/11/02(水) 10:37:12.67 ID:UNPkkwuo0
なろう世界って技術力はスゴイよな

207: 2016/11/02(水) 10:39:28.81 ID:3JIE7wZe0
>>179
原理さえわかればなんでも作れるよな

193: 2016/11/02(水) 10:38:06.68 ID:kp5g2Ixa0

43.借金取りを追い返せ!

突然乱入してきたチンピラは、スキンヘッドと無精ひげを生やした二人組であった。

彼らは俺たちがいることに気づくと、

「おう、ニーチャン、悪いことは言わねえ。この店はやめときな」

「そうそう、痛い目にあいたくなきゃ、とっとと違う店に行くんだな。そうだな、3軒隣のコルステン家の店なんかおすすめだぜえ?」

そう言って、ニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべながら絡んできたのだった。

俺が何かを言う前に、クラリッサが口を開く。

「やめて。私に何をしようが構わないけど。お客さんに迷惑をかけないで」

そんな言葉に、チンピラたちはニヤついた笑みを更に深めると、

「だとよ、どうする?」

「そうだなぁ。んじゃあ、せいぜい店を痛めつけるだけにしとくか」

そう言って、彼らは笑いながら近くにあった机を蹴飛ばしたり、机の上にあった書類などを乱暴に地面へぶちまけたりする。

194: 2016/11/02(水) 10:38:10.96 ID:P2V9sB4+0
クロエvsマサツグはいつ見られるんや?

203: 2016/11/02(水) 10:39:21.05 ID:3Wo6aIJfd
>>194
劇場版かな?

197: 2016/11/02(水) 10:38:49.72 ID:kp5g2Ixa0

「おら、こいつもだ!!」

スキンヘッドが棚に飾られている、小ぶりのナイフに手を伸ばした。

「やめて。それはこのお店の商品」

「やかましい!! 生意気な口は借金を返してから言うんだな!!」

そう言って、手に持ったナイフを地面に叩きつけて破そうとする。

しかし・・・、

「あ、あれ・・・???」

いつの間にか、男の持っていたナイフがなくなっていたのだった。

男は混乱しきった様子で、しきりに首を左右に捻ると、どこかに行ってしまったナイフを必タヒで探す。

そして、

「ああ!?」

と悲鳴の様な声を上げたのである。

199: 2016/11/02(水) 10:38:54.46 ID:Xh9xueAl0
なろうといえばマサツグ様みたいな風潮

201: 2016/11/02(水) 10:39:02.73 ID:cG0FCW5Ra
銀鏡反応なつかC

204: 2016/11/02(水) 10:39:21.97 ID:QLCerwerd
こいつやれやれ言い過ぎやろ

205: 2016/11/02(水) 10:39:25.30 ID:kp5g2Ixa0

それはそうだろう。

なぜなら、5メートルは離れて立っていたはずの俺の手に、自分の持っていたはずのナイフが収まっていたのだから。

「て、てめえ!! な、何をしやがった!! どんな手品を使いやがったんだ!?!??」

男は動揺した声で怒鳴り散らす。

やれやれ、あの程度の動きさえ見えないとは、話にならないな。

俺はスキンヘッドの質問には答えず、ただただそのレベルの低さに失笑し、溜息を漏らすのと同時に肩をすくめ、無視したのであった。

だが、なぜか俺のそんな仕草に男は激高し、

「ば、馬鹿にしやがってええええええ!!!」

そう言って殴りかかって来たのである。

216: 2016/11/02(水) 10:40:11.99 ID:kp5g2Ixa0

はぁ、と俺は再び溜息を吐く。

かわすのが非常に面倒だからだ。

何せ、攻撃と認識することすら難しい相手の行動なのである。

真面目に対応しろという方が難しい。

だが、やれやれ、いちおう相手も必タヒだ。

目を血走らせ、歯を食いしばり、必殺の一撃とばかりに全力で俺に殴りかかってきている。

いちおう、よける動作くらいしてやるのが、最低限の礼儀だろう。

俺はそんなことを思いつつ、億劫
おっくう
な気持ちで、ゆっくりと行動を開始しようとした、その時である。

孤児院の少女たちが、俺の前に立ちふさがり、

「ご主人様に何するんですか!!」

「マサツグ様に汚い手で触らないでください!!」

「わたしのマサツグさんの前に立つなんて~、一億年以上早いわよ~?」

「わしのマサツグ殿に近寄るでないわ!!」

と言って、見事なカウンターを食らわせたのである。

「ぐぺぁ!?!?!?」

221: 2016/11/02(水) 10:40:54.65 ID:kp5g2Ixa0

少女たちの拳やら魔法が突き刺さり、男はもんどりうって地面に転がる。そして泡を噴いてビクビクと震え失神するのであった。

さすがに手加減はしているようだが、仮にも俺の「守る(改)」スキルの庇護下にある少女たちの攻撃だ。

チンピラ程度では、全く相手にならないらしい。

「ひ、ひいぃぃぃいぃいいいぃいぃい!!??! て、てめえ! 歯向かう気か!? お、俺たちコルステンファミリーを敵に回してただで済むと思ってんのか!?!??!」

そんな仲間の惨状を見て、もう一人の無精ひげの男が、腰を抜かしながらそう絶叫した。

だが俺は落ちついた様子で、

228: 2016/11/02(水) 10:41:44.74 ID:kp5g2Ixa0

「むしろ、お前たちこそ俺を敵に回すことがどういうことか分かっているのか?
帰ってお前たちの親玉に伝えろ。今回の一件について、明後日までに、正式に書面をしたためた上で謝罪に来いとな。
そうすれば、許してやろう。だが、もしも謝ることすら出来ない不誠実な者だとすれば、今後、この地域での営業を許可する訳にはいかない。
その際は残念だが営業停止とさせてもらう」

と、ルールを定める側として、厳しく告げたのである。

「ひ、ひい!? い、一体何を言って・・・っ」

男が哀れな悲鳴を上げた。

一方、孤児院の少女たちは俺の言葉に、

「さすがご主人様です、許しの機会を与えて上げるなんて、本当にお優しいです」

「まったくです。マサツグ様は温情に満ち溢
あふ
れてますね!」

「そりゃそうよ~。だって本当だったら、この世界を統治するべき人なんだから~」

「国を治めるには厳しいばかりではダメということか。魔王として実に勉強になるのじゃ!」

などと言う。

264: 2016/11/02(水) 10:44:58.21 ID:LNxljkPsa
>>228
こんなん宗教やん

276: 2016/11/02(水) 10:45:57.96 ID:AKKErWaEd
>>228
孤児院の院長程度にこんな権限あるん?

244: 2016/11/02(水) 10:43:12.42 ID:kp5g2Ixa0

更にクラリッサも、

「マサツグがドワーフの格言にある、一生を通じて腕を奉じるべき人・・・?」

と、よくわからない事を呟くのであった。

「ち、ちきしょう!?!? 覚えてやがれ!!!!!!!」

そんなやりとりをしている間にも、男はスキンヘッドの男を担ぐと、捨て台詞をはいて逃げ出そうとする。

おっと、そうはいかない。

俺は一瞬で男たちの前に回り込むと、担がれたスキンヘッドの男ごと、地面に叩きつける。

「ぎえ!?」

「ぎゃっ!?」

そんな汚らしい叫び声を上げて、二人が埃まみれの床に転がった。スキンヘッドも今の激痛で目が覚めたようだ。

250: 2016/11/02(水) 10:43:55.12 ID:kp5g2Ixa0

俺は地面に這いつくばるチンピラどもが逃げないように、その後頭部を足蹴にしながら粛々と告げる。

「このまま帰るつもりか? 店を散らかし、また散々迷惑をかけたのだから、俺は立場的に、お前たちへ罰を与えなければならん。よって今回、お前らへは慰謝料の支払いを命じる。悪質さからして、それぞれ10万ギエルとしよう」

俺がそう言うと、男たちは踏みつけられたまま地面でもがき出し、

「な、なんだと!??!? だ、誰がそんな金を払うものか!!! くそっ、くそっ、おい、この足をどけやがれええええええええええ!!!!!!!!!!」

などと叫ぶのであった。

260: 2016/11/02(水) 10:44:35.52 ID:kp5g2Ixa0

だが、

「ふむ、払えないならそれでも構わない。ペナルティを課した上で、別の方法で払ってもらうとしよう」

俺がそう言うと、なぜか二人は心底怯えた様子を見せ、やけに素直に10万ギエルずつを差し出したのである。

そして、哀れなほど憔悴しきった様子で、今度こそ、この場から退散しようとしたのだった。

しかし・・・、

「少し待て」

俺が再び背を向けた男たちに声をかけた。

すると、男たちの肩がびくりと震える。

まったく、ちっぽけな奴らだ。

272: 2016/11/02(水) 10:45:38.24 ID:kp5g2Ixa0

「怯えるな、何もしない。そんなことよりお前たち、クラリッサの借金と言っていたな。借用書はあるのか?」

俺がそう言うと、男たちは懐に手を当てて、酷く不安そうな表情をする。

どうやら俺に書面を破かれるとでも思っているらしい。

「バカが。そんなことはしない。いいから見せろ」

俺の命令に、チンピラどもは諦めた顔でその書面を差し出した。

ふむ、確かに借用金額が書かれているな。

100万ギエルか。

「おい、お前ら、これで間違いないんだろうな?」

俺がそう質問すると、男たちは、

「そ、そうだ!」

「ああ、100万ギエルぴったりだ!! 1ギエルとてまからねえ!!
明後日までに払えなけりゃ、この店は没収、そしてその女は奴隷落ちだ!!
まあ、たった2日で100万ギエルなんて大金を集めることなんて、出来る訳が・・・っ」

鬱憤を晴らすかのようにそう叫び始めたのである。

280: 2016/11/02(水) 10:46:14.90 ID:kp5g2Ixa0

俺はそんな男たちを鼻でわらい、

「なんだ、100万で良いのか。そら、持っていくといい」

そう言うと俺は白貨を一枚取り出して指で弾く。

その貨幣は勢いよく飛んで、スキンヘッドの額にぶち当たるのであった。

「ひぎゃっ!?」

「んなあっ!?」

スキンヘッドは激痛に呻き、無精ひげは目を剥いてあんぐりと口を開けた。

哀れなものである。

「ど、どうして・・・?」

クラリッサからも、彼女にしてもとても珍しい、驚きに満ちた声が聞こえて来た。

なに、理由は簡単だ。

「さっき契約は完了したじゃないか。俺は単にその報酬を支払っただけだ。まずは手付金の100万ギエル。あと残りの委託料や必要経費については、今後相談することにしよう」

俺は落ち着きはらい、そう言ったのである。

301: 2016/11/02(水) 10:47:45.29 ID:1RE65tmv0
>>280
ワイ営業契約相手にこんな横柄な態度とってみたくて咽び泣く

333: 2016/11/02(水) 10:50:28.54 ID:AKKErWaEd
>>280
ここブラックジャック

286: 2016/11/02(水) 10:46:48.56 ID:kp5g2Ixa0

すると、なぜかクラリッサは頬を真っ赤に染めて俺を見つめると、

「やっぱりわたしのマスターだった」

そう言って、一瞬だけとはいえ、はっきりと微笑みを浮かべたのであった。

ますたー????

一体、どういう意味だろう?

俺は頭にクエスチョンマークを浮かべたのである。

一方、孤児院の少女たちも、

「はぁ・・・。またなんですね・・・。ご主人様がカッコイイからしょうがないんですけど・・・」

「でも、嫉妬しちゃうなぁ」

「わ、わたしの第3夫人の座は渡さないんだから~」

「これが、惚れた弱みという奴なのじゃなぁ」

と、どこか諦めた表情を浮かべ、ブツブツとよく分からない事を呟いているのであった。

うーん、どういう事だろう。

302: 2016/11/02(水) 10:47:45.61 ID:kp5g2Ixa0

と、そんなやりとりをしていると、

「ほ、本物じゃねーか・・・」

「く、くそう・・・っ! い、一体何が起こってやがんだ・・・!!」

チンピラたちが慌てふためき、酷く狼狽
ろうばい
した声が聞こえてきた。

やれやれ、こいつらの対応をするのも飽きてきたな。

「おい、いい加減、目障りだぞ、お前たち。もう借金はなくなったんだ。ここは、お前たちのような塵芥がいて良い場所じゃない事くらい分かるだろう? さあ、ゴミはゴミらしく、さっさと掃き溜めに帰れ。
それから、戻ったらお前たちゴミの親玉へちゃんと謝罪に来るよう、しっかりと伝えるんだぞ?
そうしなければこの地域での営業は許可しないからな?
ああ、あとな、今度嫌がらせをしてくれば、管理責任を果たさなかったものとして、コルステン一家は全員、国外追放とするから、よく覚えておけ」

俺は淡々とそう告げる。

303: 2016/11/02(水) 10:47:47.11 ID:NGfh97hid
鏡作るのもけっこうやけど、そもそも歪みのないガラスどうやって用意すんねん

324: 2016/11/02(水) 10:49:26.21 ID:iq46rXo20
>>303
なろうワールドの金属加工技術は青銅器時代ぐらいやけど
ガラス加工能力は17世紀程度やからセーフ

308: 2016/11/02(水) 10:48:20.01 ID:kp5g2Ixa0

すると、男たちはぎりぎりと歯ぎしりして、憎しみのこもった目で俺を睨みつけて来た。

だが、

「なんだ? まだ何かあるのか?」

そう言って少しばかり凄んでやると、

「ひ、ひい!?」

「くそう! 覚えてろよ!!」

チンピラたちは悲鳴を上げて、我先にと外へと逃げ出したのである。

「やれやれ、ゴミ掃除というのはどの世界でも厄介なものだな」

俺がそう言って溜息を吐くと、周りにいた孤児院の少女たちはクスリと微笑むのであった。

と、そんな時、俺の服の裾が引っ張られた。

犯人は・・・もちろんドワーフの少女、クラリッサだ。

313: 2016/11/02(水) 10:48:46.23 ID:kp5g2Ixa0

彼女は小さな手で裾をつまみながらら、俺のことを見上げると、

「マサツグはわたしのマスター。ずーっと一緒。何でも言って。わたしの腕も何もかも、マスターのもの」

そう言って、ほんのりと頬を赤らめたのであった。

ふむ、マスターというのは、きっと契約の委託元のことだろう。

大仰な表現ではあるが、間違ってはいない。

職人であるクラリッサらしい表現と言える。

「ああ、宜しく頼むぞ?」

「任せて。わたしのすべてをマサツグへ奉じる」

なんだか大げさだなあ。

まぁ、仕事熱心なのは良いことだ。

俺は笑って頷く。

323: 2016/11/02(水) 10:49:21.05 ID:kp5g2Ixa0

だが、俺のそんなそんなやりとりを見ていた孤児院の少女たちは、先程まで微笑んでいたにも関わらずなぜか、

「はあ・・・」

と、大きな溜息を吐くのであった。

うーん、なぜだろう?

ともかく、俺たちはやっと落ち着いて、鏡作りの話し合いを始めたのである。

43話消化

344: 2016/11/02(水) 10:51:33.22 ID:HF5wZDaua
これいつ鏡作るの?

374: 2016/11/02(水) 10:54:15.81 ID:kp5g2Ixa0

44.鏡の試作品を作ろう! 前編

俺はドワーフの少女、クラリッサをチンピラどもから助けたあと、俺の身の上を伝えた上で、正式に銀を使用した鏡作りを依頼した。

すると、彼女は俺の提案に驚くとともに、興奮した様子で快諾してくれたのである。さすが職人だけあって、新しい技術に目がないらしい。

ならば後は細かい契約の話だけだなと、俺は孤児院の少女たちを先に家に帰したのだった。

が、ここで想定外のことが起こった。

クラリッサが、すぐにでも試作品作りをしたいと言ってきたのである。どうやら、職人魂を刺激されてしまったらしい。

うーん、とはいえ、用意しないといけない素材があるからなぁ・・・。

俺は困った様子でそう言う。しかし、クラリッサは一層興味を惹かれたらしく、

「何を集めないといけない? 何でも言ってほしい」

彼女にしては珍しく、はっきりとした口調でそう言うと、俺の袖口をキュッと掴むのであった。

375: 2016/11/02(水) 10:54:24.93 ID:V/da3Ox1a
〇〇って知ってるか?

ふむ、知らないようだ

無理もあるまい

これよく見るんやが何回も使ってるんか

381: 2016/11/02(水) 10:54:55.23 ID:QsRmPy146
>>375
プロだって熱膨張知らないからね、仕方ないね

388: 2016/11/02(水) 10:55:20.58 ID:3JIE7wZe0
>>375
そら基本形やしな

377: 2016/11/02(水) 10:54:38.20 ID:kp5g2Ixa0

どうやら、感情が高ぶると相手の袖や裾を無意識にその小さな手で掴むのがクセらしい。

「別に難しい物が必要な訳じゃない。銀、アンモニア水、はちみつ、それからガラス板さえあれば、鏡は出来る」

俺は淡々と説明する。

だが、そんな俺の言葉にクラリッサは、

「マサツグすごい・・・。そんな素材から、鏡を作るなんて」

そう言って、普段は眠たそうにしている瞳を、まん丸にして驚くのであった。

「別にそれほど大したことじゃない。元いた世界で教わった知識を、単に必要だから応用しているだけさ」

俺は苦笑して首を横に振る。しかし少女は、

「そんなことない。知識は持っているだけではガラクタと同じ。だけど、自在に活用出来れば宝石にもなる。でも、それには大きな創造力という名の才能が必要。マサツグにはその能力がある。やっぱりすごい」

そう言って、熱のこもった視線を俺に向けるのであった。

やれやれ、大げさだな。

385: 2016/11/02(水) 10:55:04.81 ID:kp5g2Ixa0

「まぁ俺の才能などどうでも良いさ。さあ、そんなことよりも、鏡の試作品作りをするんだろう?」

俺がそう言うと、クラリッサは少し不満そうに「むう、ホントに凄いのに・・・」と唸るが、結局、鏡作りについて口にする。

「たくさん教えて欲しいことがある。まず、アンモニア水とは何? どうやって作るもの? 特徴は?」

少女が俺に熱心に教えを請うてくる。

その質問に俺は、

「尿をしばらく置いておくと強い臭いを発するようになるだろう? あの刺激臭のする状態がアンモニアだ。農家なんかが堆肥用に保管しているだろう?」

そう出来るだけ分かりやすく説明する。

クラリッサはその説明に酷く感心した様子で、

「・・・すごい、あれが鏡作りの材料になるなんて思いもしなかった。とても勉強になる」

そう言ってコクコクと頷くのであった。

そして、待ちきれないとばかりに次の質問をして来る。

「蜂蜜も必要と聞いた。どうしてあんな物が必要? おやつに付ける以外の使い方なんて考えたこともなかった」

そう言って、俺の袖を摘んで来る。

393: 2016/11/02(水) 10:55:51.56 ID:kp5g2Ixa0

どうやら想像以上に俺の言葉は彼女の関心を惹いてしまったらしい。

「いい質問だな。銀を溶かしてアンモニア水を混ぜ、そこに糖を加えると、銀が浮き出て来るんだ。俺の世界では銀鏡反応などと大層な言い方をしていたが、要するに銀メッキのことだな」

「だとすると、加えるのは蜂蜜でなくて、もっと安くて手に入りやすい砂糖でも良い?」

俺の言葉に、すぐにクラリッサは熱心な様子で質問を返してきた。

おお、なかなか、頭の回転が早い。

だが、残念ながら、そうはならないのだ。

「いや、砂糖の状態では、銀は抽出されない。実は砂糖というのは、細かい糖がいっぱいくっついている状態のものでな、それではダメなんだ。糖がバラバラになった状態でなければ、銀は浮き上がって来ない」

407: 2016/11/02(水) 10:56:43.09 ID:kp5g2Ixa0

「理解した。じゃあ、蜂が集める花の蜜に、お砂糖がバラバラの状態で収まっている?」

すぐに次の質問をクラリッサは投げかけてくる。

「それも違う。蜂は花の蜜を集めた後に、自らの唾液でその糖を分解するんだ。結果的に、バラバラの状態になった糖が集められて蜂蜜になるという訳さ」

「なるほど。すごい。マサツグは博識」

そう言って少女は感動した様子で何度も頷くのだった。

「いやいや、単に授業や図書館で学んだことを応用してるだけだってのに」

こんなことくらい高校生なら、誰だって出来て当然だろう。

だが、少女は首を横に振ると、

「ううん、知識を自然と応用出来るなんて、やっぱりすごい。さすが私の全て(マスター)」

そう言って否定するのであった。

やれやれ。それほど大したことじゃないってのに。

413: 2016/11/02(水) 10:57:09.59 ID:kp5g2Ixa0

「まあ、そんなことよりも、試作品作りを始めよう。素材はすぐに集まりそうか?」

俺が話を先に進めようとすると、なぜかポーッと俺の顔を見ていた少女はハッとした表情になり、やや慌てた様子で口を開いた。

「だ、大丈夫。それくらいならすぐに集められそう」

「そうか。溶けた銀については、さっきラーラに用意してもらっている。他の材料を頼むぞ?」

「任せて」

少女はそう言うと、材料調達を開始するのであった。

といっても、近くの農家からアンモニア水を買ってくるだけだったので、あっという間だったのだが。

蜂蜜やガラス板については、もともとお店にあったから、調達する必要すらなかったしな。

「じゃあ、早速はじめるか?」

素材をテーブルの上に置いて、向かい側に座る俺はそう言った。

すると、クラリッサは頷いて、

「うん、お願いする」

と答えたのである。

417: 2016/11/02(水) 10:57:40.54 ID:kp5g2Ixa0

・・・だが、なぜか彼女は、自分の椅子から立ち上がると、俺の方に歩いて来た。

そして、何を思ったか、俺の膝の上によじ登ると、そのまま躊躇
ためら
いなくチョコンと座ってしまったのである。

「・・・こうすれば教えてもらいやすいから」

彼女はどこか言い訳する様にそう言う。

ピンク色の髪から覗く耳が、気のせいか真っ赤になっているように見えた。

「おいおい、無理するな。確かに教わりやすいだろうが、俺の膝の上に座るなんて嫌だろう?」

俺は少女に無理をしないよう声を掛ける。

だが、クラリッサはたちまちブンブンと激しく首を横に振ると、

「嫌なわけない。むしろ、ここがいい」

と、いつもとは違う断固とした口調で言うのだった。

うーむ、分かってはいたが・・・やはりクラリッサはかなりの勉強家らしいな。

419: 2016/11/02(水) 10:58:06.35 ID:kp5g2Ixa0

こうして俺に密着する事すら厭
いと
わずに、貪欲に知識を吸収しようとするのだから。

俺は感心し、そう言って彼女を褒めたのだった。

だが、クラリッサはこちらに振り向いて、どこか慌てた様子で、

「ち、違う。勘違いしないで欲しい。私がこんな風にするのは、マサツグだけ」

と言ったのである。

「俺だけ?」

どういう意味だろうか?

俺はよく理解できずに首を傾
かし
げる。

そんな俺の反応を見て、クラリッサが更に説明しようと口を開く。

だが、俺と目が合うと、なぜか口をパクパクとするのみで、それ以上言葉が出ないようであった。

そして、見つめ続ける俺の視線から、なぜか顔を隠すかの様に振り向き直ると、

「や、やっぱり、なんでもない! は、はやく教えて欲しい」

と早口で言うのだった。

425: 2016/11/02(水) 10:58:49.08 ID:kp5g2Ixa0

心なしか頬が赤かったように思ったが気のせいだったろうか?

ふむ、まぁ、よく分からないが、とにかく彼女に鏡作りの方法を教えることに否
いな
はない。

さっさとリクエストに答える事にしよう。

「よし、じゃあまずは・・・」

俺はそう言って、少女の手を後ろから握る。

実際に手を動かすのが一番分かりやすいからな。

だが、

「ひゃっ」

そんな可愛い声が少女の口から漏れた。

「どうした? ・・・ああ、手を握られるのは嫌だったか?」

430: 2016/11/02(水) 10:59:11.96 ID:kp5g2Ixa0

俺はすまなさそうに言って手を離そうとする。

しかし、

「ち、違う。ちょっとビックリしただけ。離しちゃだめ」

そう言って、少女は必タヒに俺の行動を阻止しようとするのであった。

「? そうか? なら、続けるぞ?」

俺はそう言って、改めて少女の手を握り直したのである。

すると、やはりクラリッサはビクッとしたようだが、特にそれ以上反応を示すこともなく、ただ、

「マスターの手、温かい・・・」

と、どこかウットリとした声で言うのであった。

・・・うーん、なんだかさっきから、試作品作りをするような雰囲気ではなくなっている気がするのだが、どうしてなのだろう?

先程まで緊張して伸びていたはずの背中も、いつの間にか俺に体重を預け、もたれ掛かる様になってるし・・・。

まだ会って数時間だというのに、なぜこれほど彼女は俺に気を許されているのだろう。謎だ。

まぁ余り考えても仕方ないか。

俺は首をひねりつつ、

「とにかく、まずは銀液を作ろう。溶けた銀にゆっくりとアンモニア水を混ぜるんだ」

そう言って、やや無理やりながら、試作品作りを開始したのである。

453: 2016/11/02(水) 11:01:20.36 ID:QsRmPy146
>>430
銀の融点って961度なんですけど…

466: 2016/11/02(水) 11:02:11.48 ID:Gxu22cXUa
>>453

469: 2016/11/02(水) 11:02:20.88 ID:nJwpwRb1d
>>453
都合よく魔法で何とかなるやろ

440: 2016/11/02(水) 10:59:51.01 ID:gH8ZzSlKp
銀貨潰して鏡作るとか普通に犯罪じゃねーか

454: 2016/11/02(水) 11:01:22.39 ID:XeI4V38aM
ここまでふむとやれやれ何回言ってるんや

461: 2016/11/02(水) 11:01:41.15 ID:PNnCVRPI0
はよ鏡作れや

543: 2016/11/02(水) 11:08:09.71 ID:kp5g2Ixa0
そろそろ続きいくわ

45.鏡の試作品を作ろう! 後編

俺は膝の上に座ったクラリッサに、銀を使った鏡の試作品作りをレクチャーしていた。

今は溶けた銀に、アンモニア水を混ぜようとしているところだ。

「アンモニア水は直接臭いを嗅がないように注意しろ。俺が元いた世界では劇薬に指定されていたからな」

「うん、分かった」

クラリッサがいつもの淡々とした調子で頷いた。ただ、冷静そうに見えて、とても真剣に聞いてくれているのが分かる。

その証拠に、横から見える彼女の表情は、熱心に目の前に並んだ材料たちに注がれているのだ。

今回、俺が提案した銀メッキによる鏡作りについて、強い興味を持ってくれているのだろう。

俺はクラリッサの手を後ろから握り、その手を誘導する。

すると、少女は積極的に俺の意図をくんで動こうとする。

勉強熱心で、俺としてもやりやすい。

547: 2016/11/02(水) 11:08:30.95 ID:kp5g2Ixa0

俺は彼女の手を使ってアンモニア水の入った瓶を持ち上げると、それを溶けた銀の方へと傾けた。

そうして、ゆっくりと液体を注いで行く。

しばらく、その作業をしていると、興味関心が疼くのだろう、

「どのくらいまで入れるもの?」

と質問してきた。

素材同士の混合比率が気になるに違いない。

ふむ、と俺は少し乗り出して銀液の溜まった瓶を覗き込む。

「少し沈殿物が出来ているな」

茶色の細かい物体が、底の方に見えた。

確か、もう少し混ぜた方が良かったはずだ。

さすがに、細かい混合比率までは覚えていない。

だが、エッセンスくらいは記憶していた。

554: 2016/11/02(水) 11:08:59.73 ID:kp5g2Ixa0

「瓶の底に茶色の底だまりみたいな物があるだろう? それが消えるまでは、アンモニア水を注ぎ続けるんだ」

俺がそう答えると、少女は感心した様子で何度も頷くと、

「了解した」

と、瞳の奥に知的探究心の火を燃やして言うのだった。

「・・・・・・さて、もういいかな」

しばらくしてから俺が合図する。

するとクラリッサは”ピタリ”とアンモニア水の入った瓶を傾けるのをやめる。

そうして、「次はどうするのか」と、熱心に目で問うて来るのであった。

やれやれ、鏡は逃げないってのに。

俺はそう思って苦笑し、

「よし、じゃあ次の工程に進もうか」

と言ったのである。

563: 2016/11/02(水) 11:09:28.23 ID:kp5g2Ixa0

すると、クラリッサは唇の端を微かに上げた。

俺は知っている。この少女にとってはこの微妙な表情の変化が、実は満面の笑みなのである。

どうやら、次に何をするのか、相当楽しみなようだな。

よく見れば、足もプラプラとさせている。

「この作業が最後になるが、最終工程は”スピード”が大事なんだ」

俺は出来るだけ分かりやすく説明しようとする。

クラリッサが真剣な表情で耳をそばだてた。

「今作った銀液に蜂蜜を混ぜると、反応して銀の抽出が開始される。つまり、銀メッキが始まるんだ」

俺は蜂蜜の入った瓶を指差してから、それを先程生成した銀液の方へと動かす。

少女の眠たそうな瞳が、心なしか開いたような気がした。

568: 2016/11/02(水) 11:09:45.89 ID:kp5g2Ixa0

今回の作業の仕上げだからな。楽しみなのも無理はない。

「ただ、銀液と蜂蜜の反応はかなり早い。だから、もしも混ぜた後、少しでも放置しておけば、そのまま瓶の底がメッキされてしまうだろう。そうなる前に、溶液をガラス板に塗ってしまわなければならない」

すかさずクラリッサが、

「それはどれくらいの時間?」

と、質問してくる。

良い質問だ。そうだな・・・、

「とりあえず、今回は20秒以内を目標にしよう」

「分かった。ところで早すぎてダメということはない?」

ふむ、本当に優秀な生徒だな。

572: 2016/11/02(水) 11:09:49.35 ID:VD1ujrkC0
銀魂…反応?
なんか…ツッコミ的な?

581: 2016/11/02(水) 11:10:13.04 ID:kp5g2Ixa0

「いい指摘だな。実は混合比率や気温なんかで、反応速度は変わるんだ。だから、反応が完了するまでの正確な時間は予想出来ない。ただ、反応は別に、瓶の中で起こさなくても良いだろう?」

そんな俺の説明に、クラリッサは、

「!? そっか・・・」

と目からウロコだとばかりに驚く。

そういうことだ。

俺は彼女が理解した事を見て取ってから、説明を続ける。

「どうせ、こいつはガラス板をメッキするための溶液だからな。ともかく早く塗ってしまったら良いんだ。そして、ガラス板の上で反応が進むのを待てばいい」

クラリッサが頬を少し紅潮させて、感心したように頷く。

「よし、説明は以上だ。銀メッキされたら水で洗い流して完成となる。早速やってみよう」

そうして俺たちは今言った工程を丁寧に再現して行ったのである。

銀液に蜂蜜を注ぎ、時間を置かずにガラス板に刷毛で素早く塗って行く。

588: 2016/11/02(水) 11:10:33.54 ID:kp5g2Ixa0

こういった細かい作業は、さすが本職のドワーフ娘であるクラリッサがうまかった。

初めての作業内容だというのに、ムラなく液体をガラス板に均等に広げていったのである。

見ていて惚れ惚れとするほどで、俺の手伝いなど最早必要ないと思われた。

そんな訳で、俺は手を離そうとしたのだが、

「だめ。離したら上手く行かなくなる」

と、すかさず注意が飛んで来たのである。

どう考えても、俺の介添えなど必要ないと思うのだが・・・。

俺は首を傾げて、そう言ってみる。

だが、少女から改めて、

「だめ」

と断固とした拒否の返事をもらうことになったのだった。

うーん、どういうことだろう。

591: 2016/11/02(水) 11:10:51.06 ID:kp5g2Ixa0

まぁそれはともかくとして、作業自体は滞りなく進んだ。

俺たちは銀メッキが出来たのを見計らって、水で余剰物を洗い流す。

すると、ややムラはあるものの、美しい銀色の輝きを放つ、鏡と言って差し支えない代物がその姿を現したのである。

「す、すごい・・・。こんなに綺麗な鏡、見たことない・・・。まるで宝石みたい」

そう言ってクラリッサが、いつも眠たそうにしている半眼をまん丸にして驚く。

だが、これくらいで満足してもらっては困る。

「いや、まだだぞ、クラリッサ。このあと、銀メッキをもう1回重ねるんだ」

「え? もう一回?」

少女が首を傾げる。

ふむ、やはり分からないか。

597: 2016/11/02(水) 11:11:16.17 ID:kp5g2Ixa0

「よく見てご覧。鏡面にまだ結構ムラがあるだろう? どうしても1回だけだと、メッキの厚さが箇所によって違ってくる。そこで、銀メッキをもう1回重ねてムラをなくすんだ。すると、もっと綺麗になる」

俺の説明にクラリッサは、

「こ、これ以上綺麗に・・・」

と衝撃を受けて、呆然とするのであった。

ふむ、少女のリアクションから見ても、この異世界で銀メッキ製の鏡は十分売れそうだな。

俺は内心でそんな計算をしつつも、

「さ、あともう少しだ。最後まで頑張ろう」

そう言って再度、銀メッキをする準備にかかる。

すると、俺の言葉を受けてクラリッサも、

「うん。こんなに凄い物を作らせて貰えて、ドワーフ冥利に尽きる。最後まで頑張る」

と、気合十分といった様子で返事をするのであった。

609: 2016/11/02(水) 11:12:07.78 ID:kp5g2Ixa0

こうして俺たちはこれまでの作業をもう一度繰り返して2回目の銀メッキを施し、無事に試作品第1号を完成させたのである。

蜂蜜は不純物を多く含むから上手く反応が進むか不安だったのが、思いのほかうまくいって良かった。

ちなみに、その試作品第1号は、クラリッサに言わせれば、

「そのまま市場に出しても十分商品になるほどの出来栄え」

とのことであった。

そんな訳で、俺たちは一番肝心の試作品作りが上手くいったので、のんびりとした気持ちで今後のプランについて話し合うことにしたのである。

ちなみに、クラリッサはなぜか俺の膝の上から降りようとせず、座ったままだ。

615: 2016/11/02(水) 11:12:27.99 ID:kp5g2Ixa0

さて、その契約内容に関してだが、俺としては複雑な内容にするつもりは端から無い。

とりあえず最初は生産を軌道に乗せることが最優先だ。

失敗だってあるだろうから、ある程度余裕を持たせた予算を立てなくてはならない。

そう考えて俺は、追加の手付金50万、それから、鏡1個につき1万ギエルの報酬を支払うことを提案したのだった。

材料調達や販売の委託も含めての報酬額なので妥当な線だろう。

市場にはとりあえず高級品として、5万~10万ギエルくらいで出してみるつもりである。

しかし・・・。

「マサツグ。報酬額が高すぎると思う。半分くらいにすべき」

と、なぜか俺は今、委託先から報酬額の減額を提案されているのだった。

「おいおい、どうしてわざわざ自分が不利になるような事を?」

俺は首をひねる。

620: 2016/11/02(水) 11:12:50.55 ID:VAhoTvOj0
孤児院=知識がない
つまりなにやっても賞賛されるという安易な考え

630: 2016/11/02(水) 11:13:38.31 ID:kp5g2Ixa0

俺は首をひねる。

すると少女は淡々とした口調で、

「私はマサツグのものだから、他人行儀にしないで欲しい。だから報酬は安くて構わない」

と言ったのだった。

うーん、言葉少なな子だからよく意味の分からない部分もあるが・・・恐らく今回の契約内容が技術の秘匿も含む一蓮托生の内容だから、お互い長いお付き合いになる。従って、報酬を割り引いても良いと言ってくれているのだろう。

まったく。そんなこと気にしなくて良いのに、実に律儀な少女である。

「あ、ただ、一つお願いがある。ダメならダメって言って」

と、やや頬を染めながら、俺を真剣な表情で見つめて来た。

その言葉を聞いて俺はホッとする。

良かった。こちらとしても何か条件を言ってくれた方がやりやすいのだ。

なんだろうか。手付金の増額か、それとも、報酬の出来高制の提案だろうか?

634: 2016/11/02(水) 11:14:00.91 ID:kp5g2Ixa0

「私もマサツグの孤児院に遊びに行ったり、泊まったりさせて欲しい。お店があるからしょっちゅうは無理だと思うけど・・・。時々そばに居させて欲しい。・・・だめ?」

そう不安そうな表情で言うのであった。

なるほど、そういう事か。

俺は納得する。

確かにお店などやっていれば同年代の友達と出会うことも、遊ぶことも出来ないだろう。

その点、孤児院にはリュシアたちがいるから、友達を作るにはもってこいだ。

やはり彼女もまだ幼い子供。一人では寂しいのだろう。

それにそもそも、クラリッサも孤児だから受け入れることに何の問題もない。

「そういうことなら、もちろん構わない。住んでくれてもいい。いつでも来てくれ」

俺はそう返事をするのであった。

「ほ、ほんと!?」

と、クラリッサは俺があっさり了承したことに驚いたあと、すぐにはっきりとした微笑を浮かべたのである。

ううん、別に遊びに来るくらいOKに決まっているのに、そんなに嬉しかったのか。

639: 2016/11/02(水) 11:14:29.19 ID:kp5g2Ixa0

「ああ、当然だろう? それに、そのくらいのことで報酬を下げることもない。貰えるものはもらっておけ。もし今使わないなら、貯金しておくと良い。将来使うことがあるかもしれないだろう?」

俺がそう言うと、クラリッサは最初迷っていたようだが、ふと何かを思いついた様にポンと手を打つと、

「そっか・・・将来一緒になれば同じなんだ・・・」

そうボソリと呟くと、一人うんうんと頷くのであった。

ふむ、よく分からないが、いちおう納得してくれたようだ。

良かった、良かった。

「そうだ。早速という訳じゃないが、一度俺の経営している孤児院に来てみるか? あまりリュシアたちとも話せていないだろう?」

友達になるには、まずはゆっくりと喋る時間が必要だろうしな。

「うん、マサツグの孤児院行ってみたい」

案の定、クラリッサは興味津々といった様子で、返事をするのであった。

こうして俺は、一旦クラリッサと一緒に孤児院に戻ることとしたのである。

疲れたンゴねぇ😂

680: 2016/11/02(水) 11:18:58.17 ID:kp5g2Ixa0
>>664
まだ続きあるぞ66話で更新停止
あとはサイトで読んで、どうぞ

異世界で孤児院を開いたけど、なぜか誰一人巣立とうとしない件

作者:初枝れんげ

カースト底辺高校生の直見真嗣(なおみ・まさつぐ)は異世界からのクラス召還に巻き込まれてしまう。だが、呼び出した王様から早々に「こいつはへぼスキルしかないから不要」と切り捨てられ、誰もやりたがらない孤児院の運営を押し付けられてしまう。だが、そんな彼の持っていたスキルはもちろんチートだった上に、なぜか続々と孤児院には不遇だけど可愛い女の子たちが集まってくるのであった。
彼は自分を頼ってくるいたいけな少女たちを「守る」ために、今日も周囲の権力者や権威、かつてのクラスメイトたちを蹂躙しつつ、孤児院の運営にいそしむのであった。

http://ncode.syosetu.com/n9759dd/

688: 2016/11/02(水) 11:19:27.23 ID:nJwpwRb1d
>>680
わかった、ありがとうやで

767: 2016/11/02(水) 11:29:28.17 ID:n2kBeQ8Za
ワイも異世界転生してカスタードクリーム作って財を成したいンゴ

775: 2016/11/02(水) 11:30:26.08 ID:sevb+rDsa
>>767
マヨネーズの作り方も覚えとくんやで

805: 2016/11/02(水) 11:35:02.59 ID:HU0YZG1D0
今のなろうって
6割が異世界に行く話やからな・・・ありえへんで

847: 2016/11/02(水) 11:39:12.09 ID:2pMP1mlo0
>>805
なろうどころか異世界転生禁止してないラノベコンテストは
異世界転生まみれになるって話やで

873: 2016/11/02(水) 11:42:19.43 ID:HU0YZG1D0
>>847
<ネット小説大賞金賞>
『異世界に来たみたいだけど如何すれば良いのだろう』
『ゴブリンの王国』
『再召喚された勇者は一般人として生きていく?』
『聖者無双~サラリーマン、異世界で生き残るために歩む道~』
『転生して田舎でスローライフをおくりたい』
『成長チートでなんでもできるようになったが、無職だけは辞められないようです』

<ネット小説大賞メディア賞>

『ラスボスの向こう側~最強の裏ボス=邪神に転生したけど、1000年誰も来ないから学園に通うことにした~』

なろうが主となって開催する賞でこれやからな・・・

812: 2016/11/02(水) 11:35:43.74 ID:xNuPa7GCd
メッキして上に何もコーティングせんの?
すぐ酸化するやん

816: 2016/11/02(水) 11:36:24.36 ID:Soxik+g5a
>>812
コーティング…?なんだそれは?

954: 2016/11/02(水) 11:53:28.24 ID:O6l/iNSBd
はえ~すっごい物知り
作者はよっぽど学のある方なんやろなぁ

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コメント

  1. 名前:名無しのチェックメイト 2016年11月02 15:41:26 返信

    やれやれにヨイショがすごすぎてまるで読む気が起こらん

  2. 名前:名無しのチェックメイト 2016年11月02 16:18:38 返信

    高校で理科www

  3. 名前:名無しのチェックメイト 2016年11月02 16:29:37 返信

    まぁ何事も経験よ
    中高生位ならこの位の黒歴史あった方がええやろ

    おっさんがかいとるなら手遅れだから知らん

  4. 名前:名無しのチェックメイト 2016年11月02 16:38:44 返信

    ホントにやれやれとか言って肩すくめるのか?馬鹿じゃないのか作者

  5. 名前:名無しのチェックメイト 2016年11月02 16:42:26 返信

    「はなし」を「話し」って書いてないから、なろうっぽくないぞw

  6. 名前:名無しのチェックメイト 2016年11月02 16:43:15 返信

    芸風なのでOK
    知識をそのまま使う系の薄っぺらさが売り

  7. 名前:名無しのチェックメイト 2016年11月02 16:48:46 返信

    このやれやれ感はわざとそういう風に書いてるのかな?

  8. 名前:名無しのチェックメイト 2016年11月02 17:36:22 返信

    黒歴史が残るのはかわいそうですな、

    みたいな事言って
    ネットのキッズ達にニヒルな視線送ってるおじさん達も
    現在進行でキモいとは思ったんだけどさ
    なろうの大半って所詮ファンアートでしょ
    タイトルではなくジャンルに向けられた二次創作
    金出してるわけでもないのに遠くから見て笑う事も無いと思うよ
    商業で出たら絶対買わないような内容ではあるけど

  9. 名前:名無しのチェックメイト 2016年11月02 18:24:21 返信

    これ作者本人が晒してるんなら or 許可してるならまだ判るが
    ここまでベタベタコピペすんのは……いくら無料小説とはいえさすがじゃない俺でも引いたぞ

    尼レビューだのヤフー知恵袋だの晒しでも言えるが且つ今更すぎるがナンセンス過ぎるがモラルなんて言葉微塵も存在しないな
    一言で言うと便所の落書きというが便所の落書きに失礼なレベル

  10. 名前:名無しのチェックメイト 2016年11月02 18:46:07 返信

    なんちゃって知識で経営する孤児院()の女の子から好かれる鈍感やれやれ主人公とかこじらせまくりやな
    地の文が全部マサツグ様の視線なのも気に入らんわ

  11. 名前:名無しのチェックメイト 2016年11月02 19:52:52 返信

    転生モノは現実世界の物理法則とかがあっちの世界で通用するのって異世界なのにぶっちゃけどうなのさって毎回思う
    おまけに必ず魔法が出てくるのに科学が勝ったり

  12. 名前:名無しのチェックメイト 2016年11月02 21:35:02 返信

    アンモニア性硝酸銀水溶液は放っておくと雷銀が発生して危険だゾ

  13. 名前:名無しのチェックメイト 2016年11月02 21:47:28 返信

    アンモニア性硝酸銀水溶液は放っておくと雷銀が発生して危険だゾ

  14. 名前:名無し 2016年11月04 03:17:53 返信

    貨幣を鋳潰すのはその領主を侮辱することと同じだから、時代によっちゃ殺されても文句は言えないで

  15. 名前:名無しのチェックメイト 2016年11月04 23:17:32 返信

    「すごい・・・。鏡を作られるなんて
    まで読んだ
    糞みたいな内容はそういうもんだと許せるんだが糞みたいな文法はNG

  16. 名前:名無しのチェックメイト 2016年11月04 23:42:25 返信

    飛ばし読みでも脳味噌がグズグズになっていくのを感じれる辺り、ほんまポイント高いで

  17. 名前:名無しのチェックメイト 2016年11月05 00:15:05 返信

    少女たちがいて、アンモニアが必要な展開まで持ってきておきながら・・・

  18. 名前:名無しのチェックメイト 2016年11月05 17:21:21 返信

    ※8
    それなら大人しく君達の好きな作品で二次創作してろって思う
    世界観やキャラを一から作るのが面倒だったらね

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